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教育・学習支援センター
久留米・筑後体験演習の学生レポート

福田屋染物店での体験演習を終えて

 

1.福田屋染物店における体験
 今回の体験演習では大きく分けて2つのことをした。1つ目は久留米と染物の関わりについて福田さんから教わり、高良川の散策とくるめウスに行った。2つ目はグループのメンバーそれぞれの地元と久留米の特色を取り入れた旗をつくった。今回は刷毛引き本染めを体験させてもらった。

2.体験を通して学んだこと
 久留米は湧水が豊富であったため染物を含むものづくりの地として発展したということがわかった。また、旗づくりを通して地元と久留米についてそれぞれの魅力を新たに発見することができた。そして、自分の手でものをつくる楽しさや出来た時の達成感がどれだけ素晴らしいものかを学ぶことができた。

図1 遺伝子がテーマの染物

3.伝統工芸の現状
 現在、伝統工芸は厳しい状況にある。機械化が進み様々なものが安価で大量生産されている。手作業が主流である伝統工芸品には大量生産は難しく太刀打ちができない。機械が進んだこともあってか人々のものに対する意識に変化が起こった。林部・雨宮(2007)によると「安価な製品が大量に供給されると、ものに対する態度も自ずと変容し、使い捨て消費が当たり前のこととなってしまった」とあり人々がものを大切に長い間使うということをしなくなったということがわかる。
 しかし、日本の伝統工芸はとても素晴らしいものである。図1のように手作業でしか表現できないものが多く温かみや愛着を感じることが出来る。だが、伝統工芸品の魅力に気づいていない人がまだ多いと私は思う。福田屋染物店のように体験教室、地域の街のイベントに参加するなどもっと地域との繋がりを強めていくべきだと思う。そして未来につないでいって欲しい。

参考文献
林部敬吉・雨宮正彦(2007)伝統工芸の『わざ』の伝承、酒井書店、288
北村嘉行(2006)工芸産業の地域、原書房、219
小山田了三(1998)世界を支える日本技術、東京電機大学出版局、290
永原慶二・山口啓二(1983)紡織、日本評論社、333

染物体験の様子
完成した作品